詳細情報

雅楽「源氏物語」のうたまい

佐藤浩司


価格 : ¥907 (税込み)

【内容紹介】
千年の時を超えて読み継がれる「源氏物語」。
この物語のそこかしこには日本の古典音楽「雅楽」が隠し絵のごとく散りばめられている。
作者・紫式部は、この歌舞(うたまい)に何を託したのか?
雅楽を知ると見えてくる「源氏物語」の新たなる世界!!
また、この書籍には電子書籍ならではの雅楽のビデオが多数含まれております。
書籍で紹介される雅楽の演奏を実際に聴き、目にすることができるのです。
思う存分にお楽しみください。

【目次】

はじめに・・・2
第一章 源氏物語と雅楽・・・11
【管絃】――詩歌管絃は貴族のたしなみ・・・12
【舞楽】――儀式に彩りを添える華麗な舞・・・14
【謡物】――物語の背景を描き出す平安の流行歌“催馬楽”・・・16
舞楽【青海波】この世のものとは思えぬ二人舞――「紅葉賀(もみじのが)」の帖・・・18
舞楽【春鶯囀】常の恨みも忘れさせる源氏の舞振り――「花宴(はなのえん)」の帖・・・20
舞楽【柳花苑】頭中将、会心の舞を披露する――「花宴(はなのえん)」の帖・・・22
管絃【王昭君】遠く都を離れた源氏の心境もの語る――「須磨」の帖・・・24
管絃【秋風楽】催馬楽【更衣】夕霧、内大臣の歌にドキリ!――「乙女」の帖・・・26
舞楽【狛桙】催馬楽【安名尊】【桜人】冷泉帝の御代を称える管絃の遊び――「乙女」の帖・・・28
管絃【皇麞】舞楽【喜春楽】催馬楽【安名尊】【青柳】六条院・春の庭で華やかな船楽――「胡蝶」の帖・・・30
舞楽【迦陵頻】【胡蝶】法会に花添える“鳥”と“蝶”――「胡蝶」の帖・・・32
舞楽【打毬楽】【落蹲】宮廷の競技彩る「勝負楽」――「蛍」の帖・・・34
催馬楽【貫河】管絃【相府蓮(想夫恋)】源氏、玉鬘に和琴の手ほどきをする――「常夏」の帖・・・36
催馬楽【梅枝】夕霧と内大臣、ついに和解!――「藤裏葉(ふじのうらば)」の帖・・・40
舞楽【賀皇恩】源氏、准太上天皇となる――「藤裏葉(ふじのうらば)」の帖・・・42
催馬楽【青柳】源氏「四十賀」を祝う管絃の遊び――「若菜上(わかなのじょう)」の帖・・・44
舞楽【落蹲】催馬楽【席田】夕霧と柏木、落蹲の入綾を舞う――「若菜上(わかなのじょう)」の帖・・・46
舞楽【萬歳楽】【賀皇恩】ほか管絃、高麗楽多数 太政大臣を囲み、管絃の遊びに興じる――「若菜上(わかなのじょう)」の帖・・・48
【東遊】源氏一行、住吉大社で「東遊」を奉納――「若菜下(わかなのげ)」の帖・・・50
神楽【其駒】終夜、「神楽」で遊ぶ――「若菜下(わかなのげ)」の帖・・・52
管絃など多数 女性たちだけの優雅な合奏「女楽」――「若菜下(わかなのげ)」・・・54
催馬楽【葛城】源氏と夕霧の音楽談議――「若菜下(わかなのげ)」の帖・・・56
管絃【仙遊霞】舞楽【皇麞】【陵王】【落蹲】【太平楽】【喜春楽】朱雀院「五十賀」を寿ぐ子供たちの舞――「若菜下(わかなのげ)」の帖・・・58
管絃【相府蓮(想夫恋)】【盤渉調調子】柏木を想う落葉宮の心表す「想夫恋」――「横笛」の帖・・・60
舞楽【陵王】紫の上の回復願う再生の舞楽――「御法(みのり)」の帖・・・62
管絃の遊びもなさらぬ源氏の悲しみ――「幻」の帖・・・64
第二章 雅楽物語・・・65
クニで異なる「雅楽」の意味――雅楽の歴史1・・・66
大陸各地の音楽が伝来――雅楽の歴史2・・・68
“日本の雅楽”の誕生――雅楽の歴史3・・・70
雅楽と言えば「管絃」!――雅楽の形式1・・・72
男性ユニゾンが心を癒やす「謡物」――雅楽の形式2・・・74
天地の“元気”を送り出す「舞楽」――雅楽の形式3・・・76
「篳篥」は蘆舌の“ヨシ”“アシ”がいのち――雅楽の楽器1・・・78
「笛」はなぜ平安貴族に愛された?――雅楽の楽器2・・・81
「笙」と“火”の切っても切れない関係――雅楽の楽器3――83
打物いろいろ――雅楽の楽器4・・・87
「琵琶」はいまも正倉院御物そのままの姿――雅楽の楽器5・・・90
「琴」と「筝」の話――雅楽の楽器6・・・92
雅楽人物列伝・・・94
篳篥の名器「海賊丸」と「和邇部用光」・・・94
百歳超えても大活躍!スーパー翁「尾張連浜主」・・・95
雅楽の知識の宝庫『教訓抄』を記した「狛近真」・・・96
孔子も感激した燕国の音楽引き継ぐ「常世乙魚」・・・97
類まれなる音楽の天才「敦実親王」・・・98
鬼も認める笛の名手「源博雅」・・・99
日本の雅楽の礎築いた「大戸清上」・・・100
雅楽書『龍鳴抄』を著した「大神基政」・・・101
林邑八楽伝えた「菩提僊那」と「仏哲」・・・102
雅楽の国風化進めた「仁名天皇」・・・104
第三章雅楽部物語・・・105
最高の演奏をお供えしたい!――天理大学雅楽部の始まり・・・106
転機となった定期公演の実施・・・108
“異種共演”はおもしろい1――西洋音楽とのピッチの違い・・・110
“異種共演”はおもしろい2――白虎社の衝撃・・・112
廃絶した曲や舞を掘り起こす――試作復元へのチャレンジ・・・114
必要とあらば何でもやります!――面や装束の制作・・・116
見知らぬ兄弟姉妹と出会うために――海外公演・・・119
幻の天平芸能「伎楽」との出合い・・・122
雅楽の魅力、伝えるために頑張ります!「依頼演奏」・・・126
著者あとがき・・・128


佐藤浩司【さとう・こうじ】
1946年、北海道生まれ。70年、天理大学文学部宗教学科卒業。72年、天理教校本科卒業。天理大学教授。同大学おやさと研究所主任。大学在学中は雅楽部に所属、奉職後もその指導に携わり顧問を務める。廃絶曲の試作復元をはじめ、同部のユニークな活動を企画立案し、学生たちとともに、その実現に試行錯誤を重ねる。「源氏物語千年紀」(2008年)の際には、「源氏物語と雅楽」について各地で講演。そのほか、雅楽に関する出版物の監修・執筆などにも多数携わる。著書に『お道の常識』(道友社)など。

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