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銀行はなぜ変われないのか
池尾 和人
価格 :
¥340 (税込み)
本書は2003年に出版され、不良債権問題や財政問題を論じたものです。不良債権はその後、小泉政権で一定の処理が終わりましたが、財政赤字はますます悪化しています。そして日本の銀行は、不良債権という荷物は軽くなったものの、相変わらず「金貸し」を脱却できず、収益力は低く、国債を買って財政赤字を支えています。この低収益構造が財政を支える皮肉な構造は、いつまで続けられるのでしょうか。その原因はどこにあるのでしょうか。本書の問題提起は、残念ながら今もそのまま有効です。
【目次】
第1章 迷走する金融論議
1 「空気」で進んだ公的資本注入論
2 意図不明な公的資本注入
3 ペイオフ論議の混迷を正す
第2章 不良債権問題の本質
1 新規不良債権問題の高率発生
2 銀行の低収益性
3 使えるカネと人手がどれだけあるのか
第3章 金融システムの中期ビジョン
1 金融システムの果たすべき役割
2 錦秋システムの二類型
3 市場型間接金融の時代
第4章 後発国型銀行モデルからの脱却
1 産業銀行モデル
2 銀行はなぜ変われないのか
3 銀行の株式保有
第5章 構造改革はなぜ必要か
1 九十年代の経済低迷の原因
2 サービス産業の育成が課題
3 生産性とIT革命
第6章 深刻な財政赤字問題
1 景気対策の高いツケ
2 日本国際の格下げは不当か
3 政策金融の存在は永遠に正当化されるか
第7章 インフレ目標政策への会議
1 3つのデフレ説
2 財政悪化、構造調整、円安誘導
3 インフレ政策の政治経済学