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生存への契約

田原 総一朗


価格 : ¥794 (税込み)

――東京電力の社長室に原子力発電課が新設されたのは、一九五五年十一月一日。
?なぜ、木川田が「悪魔」と手を結ぼうと豹変したのか、その本意は、木川田を口説いた当人の成田でさえ「わからない」のだから捉えようがないが、 その翌年、五六年に入るや、正力松太郎原子力委員長が陣頭に立って、第一号大型発電用原子炉導入の動きが、俄然活発になるのである。この第一号大型原子炉こそが、イギリスのコールダホール型炉で、その導入をめぐって、「国家対電力会社の遺恨試合、泥仕合」がくりひろげられるわけだ――(本文より)

1981年に発行された本書は、国策としてのエネルギー政策の現実が描かれている。アメリカの目論見と日本の政治家、経済人の思惑、それらが複雑に混じり合って、日本の電力を増強するため、という純粋な目的以外に原子力を建造していった過程が生々しい。これらの歴史を振り返り、日本の電力会社がどのようにして作られ、 原子力が導入されたのかを知るにふさわしい作品だ。

本書籍は『ドキュメント 東京電力企画室』の元となった単行本の初版を電子書籍化したのものです。
【目次】

第一部 電力の栄光
▽老将たちの危惧 ▽巨大化しすぎた恐竜 ▽電力国営化の背景 ▽浮かれ革新 ▽日発解体と九電力体制 ▽コールダホール型原子炉 ▽河野、正力――夏の陣 ▽原子力発電所の建設 ▽みなさまの東京電力 ▽原子力時代の到来 ▽揺らぐ電力の土台

第二部 通商産業省の賭け▽資源エネルギー庁の誕生 ▽原子力界の陰の首領 ▽オイル・ショックの打撃 ▽木川田一隆の誤算 ▽核燃料サイクル戦争 ▽幻のMA-T計画

第三部 誰がエネルギーを制するか▽原発推進のPR戦略 ▽ローカル・エネルギー・システム ▽メジャーと石炭の関係 ▽バカチョン原子炉 ▽代替エネルギー公団?

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