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311以前から漂流する日本型システム
石川 貴善
価格 :
¥340 (税込み)
日本では311の震災と原子力事故以降、違う社会に一変したと言われています。ところが震災以前に戦後から発展してきた社会シ ステムは、世界情勢・経済環境が大きく変わりグローバル化・情報化が進む中で、すでに揺らいでいたことを歴史的経緯や時代と共 に変容して変容してきた点を紹介する一冊です。 日本社会で力を持っている、電力会社を含めた広義の官僚機構・民間企業・マスメディアは、今まで社会的機能を果たし、相互協力 と牽制が働く中でバランスが取れ、それぞれ権力独走を抑制してきましたが、いまや日本のコアが揺らいでいる中で、どの分野にお いても相次ぐ不祥事や制度疲労によって、信頼が失われています。
権力構造の信頼が揺らぐと、就職や家庭生活にも大きく影響し、学生はすでに限界を迎えている新卒一括採用に直面するはるか以前から、将来の進路や人生設計に頭を痛め、家庭でも生活防衛から消費を引き締める・子供を設けなくなるなど、人口減少や社会混乱にも直結しています。 震災後は敗戦直後になぞらえた論評が相次ぎましたが、遅々とした復興・増える自殺者・国内の産業空洞化・厳しい財政と増税など、相次ぐ不安要因の中で”第二の8月15日”を懸念する今こそ、新しい方向性を見出すための必読の一著です。
【目次-抜粋】
-新卒一括採用 テクニカル面で企業にメリット、社会全体では損失
-少子高齢化と人口減少の中で、世代間格差は避けられない
-氷河期世代から見た、学生・企業・大学のミスマッチ
-「パンとサーカス」になった事業仕分けは、国民的なコンセンサスが必要に
-大阪経済から日本の縮図と未来が見えた年
-8-9千万の人口に合わせた価値観と社会システムを
-日本航空の歴代塗装から、戦後日本の歩みを振返る
-就職活動から自己分析で変容した「就活」
-ネットや新技術から生まれた活用方法は、既存メディアにとって受け入れられるか
-大学へ多様すぎる入学手段で正当性が保てるのか
-なぜ「入試・就職・人口減少(広義で結婚)に関するテーマが関心高いのか?
-歴史的変化から見た電力会社の発展と、マネジメントで生じた蹉跌
-高円寺で実施されたデモから見える、新たな社会的対立軸とは
-東京電力は、今の日本のマネジメントや企業風土の鏡像である
-今の日本は”第二のリスクが近い”1944年に近似している
-ますます似てきた「電力」「電波(テレビ)」の世界
-確定的な人口減少。新しい時代のライフスタイルを考える
-書く判断書かない判断、オフレコについて考える