詳細情報

電子書籍元年

田代 真人


価格 : ¥1080 (税込み)

iPadやキンドルといった“黒船来襲”を受け、大いに揺れる昨今の出版業界。
アマゾンが発表した「70%」という紙の書籍の相場を超越した印税率について、ネットを中心に議論が沸騰し、「出版社や編集者はいらない」「印税はもっと取れる」などの意見も飛び交っています。本当にそうなのでしょうか?
 本書は「そういうことは紙の書籍の現場を知らない人たちの幻想だ」という著者が、自身の20年以上にわたる出版業界での経験を踏まえ、現状の出版業界の問題点と、来るべき電子書籍が流通する日本の社会について語った書き下ろし新刊です。本書は新刊でありながら、電子書籍・紙の書籍を異なる値段で同時刊行という日本初の試みで発行されており、その動向も注目されています。

【内容紹介】
iPad&キンドルの登場で注目を集める「電子書籍」。
我々が慣れ親しんだ書籍は、電子化されることで何がどう変わるのか?
だれもが簡単に出版できる時代が来るのであろうか?
印税はどうなるのか? ビジネスとしてなりたつのか?

朝日新聞社~学研でのファッション女性誌編集者~ダイヤモンド社で雑誌・書籍編集者を経て独立。電子書籍専門出版社の設立に参画した編集者が明かす、出版業界のウラオモテを踏まえた電子書籍時代の実態。

「電子書籍はどれほど利益が出るのか」という電子書籍のマネタイズについても、例を挙げながらさまざまなシミュレーションを行い電子書籍時代のビジネスモデルを検証します。
また、書籍と読者をつなぐごとで重要性と存在感を増す書店のこれからの姿についても言及しています。

本が好きな人はもちろん、出版業界、コンテンツビジネスに携わるすべての人に考えてもらいたい「これからの本をとりまく世界」。

【目次】
はじめに
・起こるべくして事件が起きた
・出版業界が揺れている
・今年は電子書籍元年なのか
・取次会社も書店もやるべきことがある

第1章
「iPad&キンドルの衝撃」は本当にあるのか?
・プラットフォームが変わるとコンテンツも変わる
・先を行き過ぎたわけではない日本の電子書籍事情
・アマゾンが提示した三つの魅力的要素
・印税70%の「衝撃」
・出版社が受けた「衝撃」
・すでに流通している電子書籍
・紙の本ではいけないのか?

第2章
これまでの出版とこれからの書籍
・これまでの出版とはなんだったのか?
・返品できる書籍
・値引きされずに定価で販売できる書籍
・アメリカの出版事情
・出版不況が続いている
・出版不況の原因はなんだろう?
・消費者の時間を奪うのはだれだ?
・数々の優位性を剥奪される既存メディア
・そもそも電子書籍とは?
・パソコンで文字を読むのは苦痛か?
・リラックスツールの登場で変わる読書スタイル
・現時点の電子書籍の問題点
・読みたい本がすぐに手に入る生活
・消されたキンドル書籍
・iPhoneのアップストアから写真集が消えた
・コンテンツの生殺与奪権を握るのはだれ?
・なぜグーグルエディションが登場したのか?
・グーグルエディションがほかと異なるわけ
・グーグルエディションでは電子書籍を販売しない!?
・縦書き文化の日本人
・漢字にはいろいろな種類がある

第3章
ターゲット読者の所在を正確につかむ
・電子書籍はキンドルで売れるのか?
・電子書籍の本命はiPadだ!
・eブックリーダーの所有者がターゲット読者
・電子書籍を読む場面を想像してみよう
・読まれる電子書籍のつくり方
・電子書籍は書籍なのかアプリなのか?
・紙と電子の編集者の仕事はどう違うのか?
・製品をつくるのか商品をつくるのか
・著者のみで書籍はつくれるのか?
・編集者の仕事
・編集者とライター、記者の違いとは 
・『週刊ダイヤモンド』事件の真相
・出版社はなくならない
・表現の自由と電子書籍
・音楽の普及と電子書籍の普及、その違い

第4章
売れるものをつくるか、つくったものを売るか?
・情報は無料なのか?
・すでにアップストアで販売されている電子書籍
・ブックストア型アプリには2つの形式がある
・ユーザーがストレスなくお金を払う仕組み
・アップルを敵に回すな!
・表現の自由のためにも広く販売を
・電子書籍はどうやって認知させるのか?
・最新コミュニケーションに目を光らせることが重要
・電子書籍のコピーガードはどうするのか?
・適正な電子書籍の価格はいくらなのか

第5章
儲かるビジネススキームを構築する
・紙の書籍出版にかかるコスト
・雑誌は広告がなければ成り立たない
・電子書籍でも印税は10%にしかならない!
・電子書籍の収支
・なぜ紙の書籍と電子書籍の収支に差が出るのか?
・電子書籍ビジネスのポイントとは?
・超ロングテールの時代と自費出版のリスク
・電子書籍の価格設定
・グーグルエディションのビジネス
・電子書籍の販売はどこでおこなうのか?
・既存の出版社の戦略を考えてみる
・新しく電子書籍出版社を立ち上げるには
・電子雑誌の行方
・お金とジャーナリズムの関係

第6章
だれもが書籍を出版できる時代
・自費出版がだれにでもできる
・著者だけで文章の責任がとれるのか?
・著作権はだれのものか
・取次会社、印刷会社、古本屋は壊滅するのか?
・紙の激減は避けられないのか
・書店こそがこれからの主役だ!

おわりに
・携帯ネイティブの時代
・世の中の変化は止められない

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