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原子力戦争

田原 総一朗


価格 : ¥794 (税込み)

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(著者あとがきより)
そこで、私は原子力発電とは何なのか、とことん追求することにしたのであった。 “原子力戦争”で、私は、推進派も反対派も出来得るかぎり取材した。 当時、私のような取材の仕方をしたルポルタージュや本は少なかった。推進派か反対派のいづれか一方を取材し、いづれかの立場に立って書かれた例が多かったのである。
 (中略) “原子力戦争”のために取材して、原子力発電は危険な代物であり、またその建設にも大いに問題ありだとはわかった。だか、ともかく五四機もの原発を作り、全電力の三分の一もを賄うことになったのだから、何としても深刻な事故は起こしてはならず、またどの電力会社も安全運転のために全神経を使っているはずだと考えていた。 それにもかかわらず、東京電力福島原発で致命的ともいえる深刻な事故が起きてしまった。 こうした事故がおきなければ、“原子力戦争”の復刊はなかったはずである。事故が起きてはならなかったのだ。私は起きないことを心底願っていたのである。

福島原発の事故は起るべくして起ったのか!? 著者にはすでに30年前にその予感があった。原子力船「むつ」の放射線漏れを背景に、国と企業の巨大利権が複雑に絡み合う構造を徹底取材に基づいて鋭く就いた迫真のドキュメント小説!
いま読んでもまったく新鮮さが失われていないから不思議だ。原子力に対する電力会社の姿勢、国のスタンス、それらすべてが、21世紀の現在にいたってもまったく変わっていないのがよくわかる。

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